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つる性植物(つるせいしょくぶつ)

つる植物の巻きひげ

自分の身体を支える堅固な茎(つる)を形成しないで、他の植物や物体に絡み付いたり付着したりして伸びていく植物のこと。

丈夫な茎を形成しなくて良い分、非常に生育が早く、細い茎を長く伸ばして、すぐに高所まで到達することができる。

栽培する際には、支柱に誘引すると良い。

大別すると、茎自体が巻きついて伸びる「巻きつき植物」と、つるに発生する組織が何かにつかまって伸びる「よじ登り植物」がある。

◆巻きつき植物 アサガオ、フジ、ツルウメモドキ、ササゲ、ヘクソカズラ、スイカズラ、アケビ、キウイ

◆よじ登り植物 つるに生じる組織の種類によって、以下のように分類される。

・不定根(ふていこん)…キヅタ、ポトス、ノウゼンカズラ

・刺(とげ)・鉤(かぎ)…ノイバラ、カカツガユ、ジャケツイバラ、ブーゲンビリア、アカネ、カギカズラ

・巻きひげ(まきひげ)…スイートピー、エンドウ、ブドウ、トケイソウ、フウセンカズラ、ウリ科植物

・吸盤(きゅうばん)…吸盤ツタ、ネナシカズラ

つる植物のガーデニング―仕立て方・楽しみ方 (NHK趣味の園芸ガーデニング21)

posted with ヨメレバ 日本放送出版協会 1999-05 Amazon 楽天ブックス ブックオフ e-hon 図書館 … ≫続きを読む

珠芽(しゅが)

ヤマイモの珠芽(しゅが)

ヤマイモの珠芽(しゅが)

主に葉の付け根、葉腋(ようえき)や、花序(かじょ)にできる芽の一種。

茎が肥大して小さな芋状になった肉芽(にくが)と、葉が肥厚になって小さな球根状になった鱗芽(りんが)がある。

地面に落ちると、そこから繁殖する種子のような役割を持つ。

オニユリ、ヤマノイモ(ヤマイモ)、ノビル、タマブキ、ムカゴイラクサ、カラスビシャク、シュウカイドウなどに発生する。

零余子(むかご) ともいう。

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心皮(しんぴ)

五枚の心皮(しんぴ)からなる、多心皮性のメシベ

五枚の心皮(しんぴ)からなる、多心皮性のメシベ

被子植物の雌しべをつくる器官で、内側に胚珠を付けた葉の一種。

一枚から数枚の心皮が胚珠を包み込むように合わさって、袋状の構造を持ったメシベを形成する。

単一の心皮からできた単心皮性雌しべ(モクレン科、キンポウゲ科、マメ科等)と、複数の心皮からできた多心皮性雌しべ(キク科、スミレ科、ユリ科、アヤメ科、ラン科、スベリヒユ属等)がある。

胚珠が種子に成長したとき、心皮は果皮となる。

ビジュアル園芸・植物用語事典

posted with ヨメレバ 土橋 豊 家の光協会 1999-01 Amazon 楽天ブックス ブックオフ e-hon 図書館 … ≫続きを読む

蜜腺

動物を誘引するため、トケイソウの蕾には蜜腺がある

昆虫を誘引するため、トケイソウの蕾には蜜腺がある

植物が甘い蜜を分泌する器官のこと。

多くの植物は、花の内部に蜜腺を持つ。

花の蜜に引き寄せられた昆虫は、蜜腺の周りを動き回ることで、雄しべの花粉を身体に付着させ、雌しべに運んで受粉させる。 このように、昆虫が媒体となって受粉が行なわれることを、虫媒(ちゅうばい)という。

葉や茎など、花以外の部分にある蜜腺は、花外蜜腺(かがいみつせん)という。

したたかな植物たち―あの手この手のマル秘大作戦 (SCCガーデナーズ・コレクション)

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多肉質

多肉質なアロエの葉

多肉質なアロエの葉

葉や茎など、植物の一部が肥大し、肉厚になる性質のこと。

乾燥地帯の植物が、水の少ない環境に適応する為、体内に多くの水分を保持するように発達した。

多肉質化した植物を、多肉植物という。

多肉植物―ユニークな形と色を楽しむ (NHK趣味の園芸ガーデニング21)

posted with ヨメレバ 日本放送出版協会 2001-11 Amazon 楽天ブックス ブックオフ e-hon 図書館 … ≫続きを読む

着果

アンズの着果

アンズの着果

植物に果実がつくこと。

結実(けつじつ)ともいう。

鉢で育てる果樹―植えつけから実がなるまで (別冊NHK趣味の園芸)

posted with ヨメレバ NHK出版 日本放送出版協会 2010-02 Amazon 楽天ブックス ブックオフ e-hon 図書館 … ≫続きを読む

胚珠(はいしゅ)

サクランボの胚珠

サクランボの胚珠

雌しべの子房の中にある、内部に卵細胞を持つ器官。

卵細胞と、雄しべの花粉に含まれる精細胞が受精すると、子房は果実に、胚珠は種子に生長する。

図説 植物用語事典

posted with ヨメレバ 清水 建美 八坂書房 2001-07 Amazon 楽天ブックス ブックオフ e-hon 図書館 … ≫続きを読む

蒸散(じょうさん)

電子顕微鏡により撮影された、トマトの葉の気孔

電子顕微鏡により撮影された、トマトの葉の気孔

植物の根から吸収した水分が、地上部から水蒸気として放出されること。

多くの植物は、吸収した水分の9割前後を空気中に放出する。 蒸散が盛んなときほど、植物は健康的に生長すると言われる。 水分が蒸発するときの気化熱で、植物体の温度上昇を防ぐ働きがある。

蒸散は、水分が放出される器官によって、二種類に分けられる。

・気孔蒸散 気孔(葉の裏側に多く存在する)の開閉によって排出量が調整され、植物体の体温調節が行われる。

・クチクラ蒸散 気孔蒸散と比較すると微量ではあるが、表皮細胞のクチクラ層から行われる蒸散のこと。

子房(しぼう)

ヘレボルス(クリスマスローズ)の子房

ヘレボルス(クリスマスローズ)の子房

雌しべの基部にある、胚珠を包む部分のこと。

胚珠の中には卵細胞があり、雌しべの先端に付着した花粉から精細胞を受け取り、受精する。

受精卵は成長すると胚になり、胚珠はやがて種子になる。

胚珠を包み込んでいた子房は、成長すると果実になる。

花青素(かせいそ)

赤いバラの色素は、花青素(かせいそ)である

植物に含まれるフラボノイドの一種で、主として花や果実、葉の紅葉に見られる「赤・紫・青」の色素のこと。

水溶性の色素で、酸性で赤、中性で紫、アルカリ性で青に変色することから、pH(水素イオン指数)を測定するリトマス試験紙に利用されている。

紫キャベツの色素は、花青素(かせいそ)と呼ばれる

また、抗酸化物質としても知られており、健康食品やサプリメントに加えられることもある。

アントシアニンとも呼ばれる。

赤いバラ、ヤグルマギク、紫キャベツ、ナス、ブルーベリー、プルーン、アサイー、ブドウ、イチゴ、黒米、黒大豆、ムラサキイモなどに多く含まれている。

アントシアニン(あんとしあにん)

ヤグルマギクの青い色素は、アントシアニンである

植物に含まれるフラボノイドの一種で、主として花や果実、紅葉時に見られる「赤・紫・青」の色素のこと。

水溶性の色素で、酸性で赤、中性で紫、アルカリ性で青に変色することから、pH(水素イオン指数)を測定するリトマス試験紙に利用されている。

アントシアニンを含む黒米

また、抗酸化物質としても知られており、健康食品やサプリメントに加えられることもある。

花青素(かせいそ)ともいう。

赤いバラ、ヤグルマギク、紫キャベツ、ナス、ブルーベリー、プルーン、アサイー、ブドウ、イチゴ、黒米、黒大豆、ムラサキイモなどに多く含まれている。

フラボノイド(ふらぼのいど)

渋柿に含まれる渋味成分のタンニンには、強い殺菌効果がある

光合成によって植物体内に形成されるポリフェノールの一種で、主に色素となる物質を総称するもの。

お茶に含まれる「カテキン」や「タンニン」の殺菌作用、ブルーベリーやリンゴに含まれる「アントシアニン」の抗酸化作用、大豆に含まれる「イソフラボン」の女性ホルモン的作用など、健康に役立つ効果も認められており、サプリメント等に利用されている。

ルチン(ソバ、ミカン、エンジュ)、クエルセチン(リンゴ、茶、タマネギ)、ヘスペリジン(柑橘類)などを合わせて、ビタミンPと呼ぶこともある。

ポリフェノール(ぽりふぇのーる)

サクラの葉に含まれるクマリンは、塩漬けにすると芳香を発するようになる

光合成によって植物体内に形成される、香りや味、色素等のもとになる物質の総称。

現在、確認されているものだけでも、約5000種のポリフェノールが存在している。

酸素と結びつきやすい性質を持つポリフェノールは、強い抗酸化作用を持つことから、健康維持に役立つ物質として、医薬品や健康食品に幅広く利用されている。

フラボノイド(ブルーベリー・ソバ・大豆)、フェノール酸(コーヒー)、エラグ酸(イチゴ)、リグナン(ゴマ)、クルクミン(ウコン)、クマリン(サクラの葉・モモ)など。

アルカロイド(あるかろいど)

ベラドンナには、神経を麻痺させる猛毒が含まれているが、そこから抽出されるアトロピンは、パーキンソン病の治療薬になる

植物体内に存在する、分子内に窒素を含んだ有機化学物を総称するもの。

アルカリ性を示すことから、「アルカリのような」という意味のアルカロイドと名づけられた。

神経ホルモンに似た組成をしており、微量でも強い生理作用がある。

トリカブトに含まれる猛毒アコニチンは、適量を使用すれば強心剤として利用が可能

動物が摂取すると、神経を狂わせ、死に至ることもあるため、植物毒として認識されることが多いが、古来から医薬や農薬として用いられてきた。

キナの樹皮に含まれる「キニーネ」はマラリアの薬として、コカの木の葉に含まれる「コカイン」は局所麻酔薬として、樹木マチンの種子に含まれる「ストリキニーネ」は胃薬として、ユリ科のイヌサフラン種子に含まれる「コルヒチン」は通風の薬として利用されている。

穂状花序(すいじょうかじょ)

ワレモコウの穂状花序

ネジバナの穂状花序

長く伸びた一本の花軸(かじく)に、多数の小花が付く花序。

総状花序(そうじょうかじょ)に似ているが、小花に花柄(かへい)が付いていないものを指す。

オオバコ、イノコズチ、ネジバナ、キンギョソウ、グラジオラス、サワギキョウ、ワレモコウなど。

円錐花序(えんすいかじょ)

ナンテンの円錐花序

ウツギの円錐花序

花軸が何度も枝分かれして、多数の小花を付ける花序で、花序の下の部分ほど分枝回数が多く、全体的に見ると円すい状になるもの。

ヨモギ、イネ、クサキョウチクトウ、宿根かすみ草、ウツギ、タケニグサ、ネズミモチ、ナンテン、サルスベリ、セイタカアワダチソウなど。

複総状花序(ふくそうじょうかじょ)ともいう。

単頂花序(たんちょうかじょ)

カタクリの単頂花序

チューリップの単頂花序

一本の茎や枝の先端に、一つの花を付ける花序(かじょ)のこと。

チューリップ、スミレ、シクラメン、ハス、スイレン、カタクリ、アネモネ、ケシなど。

傘形花序(さんけいかじょ)

セリ科植物、アシタバの傘形花序(さんけいかじょ)

花軸(かじく)が非常に短く、一点から放射状に花柄(かへい)が伸びているように見える花序のこと。

ネギ、ニラ、ギガンチューム、ヤツデ、ヒガンバナ(リコリス)、ウド、セリ科植物など。

散形花序(さんけいかじょ)ともいう。

散形花序(さんけいかじょ)

ヤツデの散形花序(さんけいかじょ)

花軸(かじく)が非常に短く、一点から放射状に花柄(かへい)が伸びているように見える花序のこと。

ネギ、ニラ、ギガンチューム、ヤツデ、ヒガンバナ(リコリス)、ウド、セリ科植物など。

その形状から、傘形花序(さんけいかじょ)とも呼ばれている。

散房花序(さんぼうかじょ)

シモツケの散房花序(さんぼうかじょ)

短い花軸(かじく)から複数の花柄(かへい)が出ており、下部の柄ほど長いことから、小花の集合体が水平、または半球形に並んだ花序のこと。

コデマリ、シモツケ、アジサイ、タニウツギ、ペンタス、など。

壷状花序(こじょうかじょ)

トウダイグサの壷状花序

花軸と苞が、壷状になり、その内部に花を持つもの。

トウダイグサ科の植物に見られる特殊な花序。

トウダイグサ(ユーフォルビア)、ポインセチア(ショウジョウボク)、ハナキリン、トウゴマ、ハツユキソウ、ニシキソウなど。

杯状花序(はいじょうかじょ)ともいう。

杯状花序(はいじょうかじょ)

ポインセチアの杯状花序

花軸と苞が、杯状(コップ状)になり、その内部に花を持つもの。

トウダイグサ科の植物に見られる特殊な花序。

トウダイグサ(ユーフォルビア)、ポインセチア(ショウジョウボク)、ハナキリン、トウゴマ、ハツユキソウ、ニシキソウなど。

壷状花序(こじょうかじょ)ともいう。

総状花序(そうじょうかじょ)

ジギタリスの総状花序

ギボウシの総状花序

長く伸びた一本の花軸(かじく)に、多数の花柄(かへい)のある花を付ける花序(かじょ)のこと。

ジギタリス、エビネ、フジ、リョウブ、ヤマゴボウ、ギボウシ、ヒヤシンスなど。

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頭状花序(とうじょうかじょ)

スカビオサ(西洋マツムシソウ)の頭状花序

一見すると一つの花のように見えるが、先端が円盤状になった花軸(かじく)に、多数の小花が集まって、一つの花を成しているもの。

頭花(とうか)、頭状花(とうじょうか)、集合花(しゅうごうか)ともいう。

キク科(キク、タンポポ、ヒマワリ、コスモス、ダリア、カモミール、ツワブキ、ジニア)や、マツムシソウ(スカビオサ)科の植物にみられる。

花序(かじょ)

フジの単一花序

オミナエシの複合花序

茎に並ぶ、花の配列様式のこと。

また、花軸(かじく)や花柄(かへい)に複数の小花が付いて、房状になった部分のことを指す場合もある。

植物によって多種多様な花序は、その配列により、大きく二種に分類することができる。

一つの配列様式からなる花序を単一花序(たんいつかじょ)、複数の単一花序や、複数の配列様式で構成された花序を複合花序(ふくごうかじょ)という。

花被(かひ)

シャガの花被(かひ)

花被は、一つの花にある花被片(かひへん)を総称したもの。

花被片は、生殖器官である雄しべや雌しべを保護し、大きく色鮮やかに目立つことで昆虫等を誘引する。

外側に並ぶ花被は外花被(がいかひ)、内側に並ぶ花被は内花被(ないかひ)という。

それぞれに材質が異なる場合は、外花被を萼(がく)、内花被を花弁(かべん)と呼ぶ。

花被片(かひへん)

ホトトギスの花被片のうち、外側の幅広3枚は外花被片、内側の幅狭3枚は内花被片である

雄しべや雌しべ等の生殖器官を保護するように発達した器官。

また、大きく色鮮やかに目立つことで昆虫等を誘引して、虫媒による受粉が起こりやすいようにする。

外側に並ぶものを外花被片(がいかひへん)、内側に並ぶものを内花被片(ないかひへん)という。

総称は花被(かひ)。

それぞれ材質が異なる場合は、外花被を萼(がく)、内花被を花弁(かべん)という。

花床(かしょう)

花の中心部、花床が盛り上がったカモミール

花柄(かへい)の先端にあり、花を構成する花葉(かよう)の基部になる部分のこと。

花托(かたく)ともいう。

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花葉(かよう)

オキザリスの花弁には、葉脈の名残のスジが見られる

雄しべや雌しべ、花弁(かべん)、萼片(がくへん)など、花を構成する器官を総称するもの。

花は元々、葉が変形してできたとされることから、こう呼ばれている。

花を支える土台となる花床(かしょう)については、茎が変形したもののため、ここには含まれない。

花冠(かかん)

ヘビイチゴの離弁花冠

一つの花にある、花弁(かべん)の集合体のこと。

花の中心にある雄しべや雌しべ等の生殖器官を保護し、鮮やかな色や独特な形で目を引いて、昆虫等を誘引する。

複数の花弁が、離れて花床に付いているものを離弁花冠(りべんかかん)、花弁が癒合して、根元が筒状になっているものを合弁花冠(ごうべんかかん)という。

ツツジの合弁花冠

合弁花冠の根元、筒状の部分は、花冠筒部(かかんとうぶ)といい、略して花筒(かとう)と呼ばれることもある。

裂けて広がった花筒の先端は、花冠裂片(かかんれっぺん)という。

花托(かたく)

中央のハチの巣状のものが、ハスの花托

花柄(かへい)の先端にあり、花を構成する花葉(かよう)の基部になる部分のこと。

花床(かしょう)ともいう。

花弁(かべん)

スイセンの花弁

花びらと呼ばれている器官のこと。

花の中心にある、雄しべや雌しべ等の生殖器官を保護する。

また、色や形で目立つことで、昆虫を誘引する役割も担っている。

一つの花にある花弁の集合体は、花冠(かかん)という。

花柱(かちゅう)

アヤメ属の花柱は、花弁状に三つに分かれている

雌しべの子房(しぼう)と柱頭(ちゅうとう)を繋ぐ円柱状の器官。

花粉を受けとりやすいように、先端の柱頭を適切な位置に出すなど、主として受粉を助けるために存在している。

花茎(かけい)

ハスの花茎(かけい)

花だけを付ける茎。

花軸(かじく)の一種で、地下茎から直接出てくるもののこと。

タンポポ、チューリップ、ポピー、リコリス、アネモネ、ハス、ヒガンバナ、ガーベラなど。

花軸(かじく)

シランの花軸(かじく)と花柄(かへい)

花だけを付ける茎や枝のこと。

小花を複数付ける植物の場合は、中心の太い茎を花軸(かじく)、枝分かれして花を付ける茎を花柄(かへい)という。

果梗(かこう)

サクランボの果梗(かこう)

果実の柄になっている部分のこと。

小さな果実が多数集まった果穂の中では、個々の実を支える柄のことを小果梗(しょうかこう)と呼ぶ。

元々は、花を支えていた花梗(かこう)が変化したもの。

果柄(かへい)ともいう。

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果柄(かへい)

姫りんごの果柄(かへい)

果実の柄になっている部分のこと。

小さな果実が多数集まった果穂の中では、個々の実を支える柄のことを小果柄(しょうかへい)と呼ぶ。

元々は、花を支えていた花柄(かへい)が変化したもの。

果梗(かこう)ともいう。

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花梗(かこう)

サクランボの小花梗(しょうかこう)

花の柄になっている部分のこと。

花軸(かじく)から出て、末端に花を付ける。

小さな花が多数集まった花穂では、花梗が先端で枝分かれし、小花梗(しょうかこう)が個々の花を支える。

花が終わった後には果実を支える器官となり、名称は果梗(かこう)に変わる。

花柄(かへい)ともいう。

花柄(かへい)

姫りんごの小花柄(しょうかへい)

花の柄になっている部分のこと。

花軸(かじく)から出て、末端に花を付ける。

小さな花が多数集まった花穂では、花柄が先端で枝分かれし、小花柄(しょうかへい)が個々の花を支える。

花が終わった後には果実を支える器官となり、名称は果柄(かへい)に変わる。

花梗(かこう)ともいう。

花(はな)

1. 花のつくり

アサガオの花

花の基本的な構造では、花の柄である花柄(かへい)の先端に、花の土台、花床(かしょう)が付き、その上に葉が変化してできた花葉(かよう)が付く。

花葉とは、雌しべ、雄しべなどの生殖器官や、花びらとも呼ばれる花弁(かべん)、それを外側から支える萼(がく)からなる。

普通、雌しべ、雄しべなどの生殖器官は、花の中心に位置している。

雄しべで形成された花粉が、雌しべの柱頭に付着すると、花粉の精細胞が花柱内を移動して、子房の卵細胞に到着、受精が行なわれる。

その後、受精卵は胚に成長し、子房は果実となる。

2. 花の性別

カボチャの雌花の下部には、丸い子房がみられる

花には単性花と両性花がある。

単性花には、雄花と雌花があり、それぞれ雄しべと雌しべだけを持つ。 これを雌雄異花(しゆういか)という。

両性花は、雄しべと雌しべ、両方を一つの花に備えた雌雄同花(しゆうどうか)である。

まれに、気温などの環境条件によって、異なった性別の花を咲かせる植物もある。

3. 花と受粉媒体

花の蜜を吸うハチドリによる鳥媒受粉

花の色や匂い、分泌される蜜などに惹かれて、鳥や昆虫がやってくる。

植物に誘引された動物は、花の中で蜜を求めて動き回ったりして、体に花粉を付着させ、雌しべに運ぶ役割を担っている。

自ら動くことができない植物は、蜜や花粉などの対価を与えることで、動物に受粉を助けてもらっているのだ。

このように、昆虫によって受粉が媒介される花を虫媒花、鳥によるものを鳥媒花という。

また、風によって受粉がなされる場合は、風媒花という。

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ブラシノステロイド(ぶらしのすてろいど)

ブラシノステロイドの一種、ブラシノライドの構造式

主として、成長の促進に関与する植物ホルモン。

細胞伸長・分裂促進、エチレン合成、発芽促進などを誘導する。 動物の性ホルモンに似た、ステロイド系の構造を持つ有機化合物を総称するもの。

他の植物ホルモンでは、オーキシン、ジベレリン、サイトカイニンに近い作用を持ち、それらと協調的に働くことが知られている。

種子の発芽については、発芽を抑制するアブシジン酸と拮抗して作用している。

比較的新しく発見されたブラシノステロイドは、未だ解明されていない部分も多く、現在も農業分野で利用するべく研究が続けられている。

エチレン(えちれん)

エチレンの構造式

主として、植物の成長や老化に関与する、気体の植物ホルモン。

発芽促進、果実の成熟促進、球根の休眠打破、落葉促進、細胞の伸長・分裂抑制などを誘導する。 パイナップル(アナナス)科植物には、花芽分化を促進する効果もある。

ガス灯周りの街路樹だけが、他よりも早く落葉する現象から発見された物質で、タバコの煙、車や石油ストーブの廃ガスにも含まれている。 風の振動や、人による接触等、植物への物理的な刺激から発生することもある。

成熟した果物から生じることがあるので、熟させたくない植物には、エチレンが生じる果実を近づけないように注意する。 逆に、未熟な果物を追熟したい場合は、熟したものと一緒に保存しておくと良い。 リンゴは、エチレンガスを多く発生させる果物として知られる。

農業分野では、早生みかんの色づけや、未熟なバナナの成熟、伸長を抑えて太いもやしを育成するのに利用されている。

アブシジン酸(あぶしじんさん)

アブシジン酸の構造式

主として種子や芽の成長抑制、器官離脱(落葉・落果)、気孔閉鎖に作用する物質。

植物ホルモンの一種。

種子は通常時、種皮に含まれるアブシジン酸によって、胚の成長が抑えられ、休眠状態に置かれている。 しかし何らかの原因でアブシジン酸の生成が滞ると、樹上で未熟な種子が発芽してしまったりする。

植物に水分が不足した際には、蒸散を抑えるために気孔の閉鎖を促す。

水不足のような環境ストレスに反応して合成され、植物の抵抗力を増すアブシジン酸は、耐性誘導ホルモンとしても知られている。

他に環境ストレスによって合成されるホルモンには、エチレンやジャスモン酸がある。

ジャスモン酸(じゃすもんさん)

ジャスモン酸の構造式

ジャスモン酸は、元々ジャスミンの香りの主成分として発見された物質。

その後の研究の結果、主として成長の抑制に関与する、植物ホルモンとしての作用が確認された。

他には、果実の熟化、種子や芽の休眠打破、老化促進、落葉促進(離層形成促進)、塊茎形成などを誘導する。

また、外敵による摂食などで植物体が傷ついたり、病気や水分不足等の環境ストレスを受けると、植物体内に急激に増加して、抵抗力を増強する耐性誘導ホルモンとして働く。

ストレスにより生成される「ジャスモン酸エステル」には揮発性があり、気孔から外部に放出されると、他の個体に危険を知らせたり、害虫の天敵を誘引したりする。

同じく、環境ストレスによって生成される「エチレン」や「アブシジン酸」とは協調的だが、「ジベレリン」とは拮抗的に作用することが多い。

ジャスモン酸を利用した薬剤は、リンゴやブドウの着色促進に利用されている。

サイトカイニン(さいとかいにん)

天然サイトカイニン、ゼアチンの構造式

主として細胞分裂を促進し、組織を拡大させたり、分化させたりする物質の総称。

植物ホルモンの一種。

植物体内に存在するオーキシンとの相互作用によって、細胞を増殖させるが、その際オーキシン濃度が高いと芽が分化、低いと不定根が分化する。

サクラがよく罹るテングス病は、サイトカイニンが爆発的に増加して、異常な数の芽が分化するもの。 それらの芽が成長すると、一カ所から異常に枝が密生して、まるで鳥の巣かホウキのように見えることから、日本では天狗巣病、英語では魔女のほうき(witches’-broom)と名づけられた。 テングス病が発生したら、伝染しないように、枝を切り取って焼却処分すると良い。

サイトカイニンのその他の作用には、 気孔の開孔、老化の抑制、カルスの形成、側芽の成長促進、クロロフィル合成促進、発芽促進などがある。

バイオテクノロジーで組織培養する際に用いると、生じる器官を調整することができる。

農業分野では、果樹の枝を増やしたり、着果促進したり、果実を肥大させたりするのに利用されている。

ジベレリン(じべれりん)

ジベレリンA3 の構造式

植物の茎や根を伸長させる作用を持つ、植物ホルモンの一種。

その他にも、種子の休眠打破、開花・結実の促進、老化や落葉の抑制、果実の無種子化(単為結果)など、多くの作用がある。

元々は、稲が異常に成長してしまう馬鹿苗病の原因となるカビから発見された毒素で、そのカビの名前から、ジベレリンと名づけられた。 後に、同じ作用を持つ物質が植物体内から発見され、植物ホルモンとして知られることとなる。

植物のジベレリン合成を妨げると、茎や根の生育が悪くなり、通常より背丈の低い植物ができる。 この性質を利用して、矮性品種を作る際には、矮化剤として、ジベレリンを阻害する薬剤が使われる。

また、ジベレリンは、受粉しなくても子房を成長させる作用があるため、種子の無い果実を作ることができる。 タネ無しブドウを作る時は、開花の前後に、房をジベレリン水溶液に浸す。 これは、ジベレリン処理と呼ばれる。

オーキシン(おーきしん)

オーキシンの一種である3-インドール酢酸の構造式

細胞を伸長させ、植物の成長を促す作用を持った物質の総称。

植物ホルモンの一種。

園芸では、果実を着果させたり、実った果実の肥大や成熟を促すために、使用されることが多い。 また、挿し木等の栄養繁殖では、発根を促すのに用いられる。

植物を、異常に成長させることで、結果的に枯らしてしまう作用を持つオーキシンも存在しており、その作用から除草剤として利用されている。 これはアメリカ軍によって、ベトナム戦争時に枯葉剤として使用された。

植物の枝や茎の先端には、頂芽(ちょうが)と呼ばれる芽があり、そこからはオーキシンが分泌されている。 頂芽のオーキシンは、側面から出る側芽(そくが)の成長を抑制して、頂芽優勢の性質を保つ。

フロリゲン(ふろりげん)

植物ホルモンの一種で、植物の花芽形成を誘導する花成ホルモン。

70年前にロシアの植物学者によって、その存在が確認されたものの、誰も抽出に成功することなく、長い間正体不明のままだった。

幻のホルモンとも言われていたフロリゲンだったが、奈良先端科学技術大学院の島本教授らが、開花を促進する遺伝子Hd3aにより作られたタンパク質であることをつきとめた。 研究内容は2007年4月20日付の米科学誌「サイエンス」に発表されている。

稲に、この遺伝子を導入すると、開花までに要する期間を3分の1ほどに短縮できる。

フロリゲンが実用化されると、植物の開花をコントロールできるようになるため、園芸や農業分野における応用が期待されている。

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実割れ(みわれ)

実割れしたトマト

実割れしたトマト

果実の皮(果皮)が裂けること。

原因は様々あるが、雨が降り続いたりして、土壌や空気中の水分が過剰になり、果実内の水分量が増えすぎることで、実割れが発生することが多い。

裂果(れっか)ともいう。

裂果(れっか)

裂果したトマト

果実の皮(果皮)が裂けること。

原因は様々あるが、雨が降り続いたりして、土壌や空気中の水分が過剰になり、果実内の水分量が増えすぎることで、裂果が発生することが多い。

実割れともいう。

堅果(けんか)

コナラのドングリは、堅果とよばれる果実

木質のかたい果皮に包まれた、一つの種子を持つ果実。

いわゆるドングリと呼ばれる果実で、包(ほう)が発達してできた殻斗(かくと)によって、デンプン室に富んだ種子が覆われている。

クヌギ、カシ、ナラ、シイ、クリ、カバノキ、ハシバミ、アラカシなど。

単果(たんか)、乾果(かんか)、閉果(へいか)に属する。

分離果(ぶんりか)

複数の分果にわかれるバジルの分離果

複数の子房からできた果実で、熟すと子房ごとに分離して、分果をつくるもの。

これらの分果の内部には、種子が一つずつ入っている。

バジル、ミント、ローズマリー、セージ、オレガノ、タイム、シソ、イヌハッカなどのシソ科植物や、ニンジン、セリ、パセリ、コリアンダー、セロリ、アシタバなどのセリ科植物に多く見られる。

単果(たんか)、乾果(かんか)、閉果(へいか)に属する。

節果(せつか)

アレチヌスビトハギの節果

豆果(とうか)の一種で、莢(さや)が一つの種子ごとに仕切られて、複数の分果を作る果実。

熟しても、分果の仕切り部分で複数に分かれるだけで、烈開しない。

分節果(ぶんせつか)、節莢果(せつきょうか)ともいう。

ヌスビトハギ、ナハキハギ、ヤブハギ、フジカンゾウ、イワオウギ、クサネム、モダマなどマメ科植物の一部に見られる。

単果(たんか)、乾果(かんか)、閉果(へいか)に属する。

双懸果(そうけんか)

ミツバの双懸果

二枚の心皮からできた、二室の子房からなる果実。

熟すと縦に裂けて、分果柄(ぶんかへい)で繋がった二つの分果が垂れ下がる。

この分果の内部には、それぞれ一つずつ種子が入っている。

ウイキョウ、キャラウェイ、アシタバ、セイヨウトウキ、ニンジンなど、セリ科植物によく見られる。

単果(たんか)、乾果(かんか)、閉果(へいか)に属する。

翅果(しか)

カエデ科植物の翅果(しか)

カエデ科植物の翅果(しか)

果皮の一部が羽のように発達しており、風により飛散する果実。

この羽の部分を翼(よく)という。

ニレ、ハンノキ、トネリコ、カエデ、モミジ、ボダイジュ、ケヤキ、メグスリノキなど。

単果(たんか)、乾果(かんか)、閉果(へいか)に属する。

翼果(よくか・よっか)ともいう。

翼果(よくか)

熟すと、螺旋を描くように落ちるモミジの翼果

果皮の一部が羽のように発達しており、風により飛散する果実。

この羽の部分を翼(よく)という。

ニレ、ハンノキ、トネリコ、カエデ、モミジ、ボダイジュ、ケヤキ、メグスリノキなど。

単果(たんか)、乾果(かんか)、閉果(へいか)に属する。

翅果(しか)ともいう。

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穀果(こくか)

穀果と呼ばれる小麦の果実

一見すると種子のように見える、イネ科植物特有の果実。 薄くてかたい果皮の中に、一つの種子が包まれている。

痩果(そうか)に似た性質を持っているが、果皮と種子が癒合していて分離できない特徴を持つ。

頴果(えいか)ともいう。

イネ、コムギ、キビ、アワ、ヒエ、トウモロコシ、カラスムギなど。

単果(たんか)、乾果(かんか)、閉果(へいか)に属する。

頴果(えいか)

イネ科特有の頴果(えいか)。写真は稲。

一見すると種子のように見える、イネ科植物特有の果実。 薄くてかたい果皮の中に、一つの種子が包まれている。

痩果(そうか)に似た性質を持っているが、果皮と種子が癒合していて分離できない特徴を持つ。

穀果(こくか)ともいう。

イネ、コムギ、キビ、アワ、ヒエ、トウモロコシ、カラスムギなど。

単果(たんか)、乾果(かんか)、閉果(へいか)に属する。

痩果(そうか)

ギシギシの痩果

薄くてかたい果皮の中に、一つの種子が包まれている果実。

果皮と種皮が密着しているので、一見すると種子のように見えるが、果実の一種である。

イチゴ、タンポポ、ヒマワリ、イヌタデ、ギシギシ、イラクサ、オミナエシ、ウマノアシガタなど

単果(たんか)、乾果(かんか)、閉果(へいか)に属する。

蓋果(がいか)

ポーチュラカの蓋果は、成熟するとお椀の蓋を取るように横に裂ける

多心皮性子房からなる、蒴果(さくか)の一種。

成熟すると、果皮が横に裂け、お椀の蓋を開けるように上部がとれて、種子を放出する。

スベリヒユ、オオバコ、マツバボタン、ポーチュラカ、ゴキヅル、ネナシカズラなど。

単果(たんか)、乾果(かんか)、裂開果(れっかいか)に属する。

短角果(たんかくか)

ナズナ属植物の果実は、短く平らな短角果

二枚の心皮が合わさってできた子房(多心皮性子房)からなる、角果(かくか)の一種。 果実の中央にある薄い膜で、内部は二室に仕切られている。

長角果(ちょうかくか)と比べると、果実の丈が短く、扁平な形状をしている。 成熟すると、縫合線に沿って下部から裂けて、種子を放出する。

アブラナ科のナズナ属、イヌナズナ属、グンバイナズナ属、マメグンバイナズナ属、ミヤマナズナ属、ニワナズナ属等にみられる。

単果(たんか)、乾果(かんか)、裂開果(れっかいか)に属する。

長角果(ちょうかくか)

アブラナ科植物の角果は、細長い形状が特徴的な長角果

二枚の心皮が合わさってできた子房(多心皮性子房)からなる、角果(かくか)の一種。

果実の中央にある薄い膜で、内部は二室に仕切られている。

細長い形状をしており、成熟すると縫合線に沿って下部から裂け、種子を放出する。

カラシナ、ワサビ 、セイヨウアブラナ、セイヨウワサビ、オランダガラシ、ミズナ、キャベツ、ハクサイ、ジャニンジンなど、アブラナ科植物に多くみられる果実。

単果(たんか)、乾果(かんか)、裂開果(れっかいか)に属する。

孔開蒴果(こうかいさくか)・孔さく果(こうさくか)

ケシ属の孔さく果は、ケシ坊主と呼ばれる

成熟すると烈開する蒴果(さくか)の一種。 果皮の側壁に開いた穴から、種子が放出されるもの。

ケシ科のヒナゲシやオニゲシ、キキョウ科のキキョウソウやヒナキキョウソウなど。

蒴果(さくか)

さく果は、成熟すると複数室に烈けて、種子を放出する

二枚以上の心皮からなる多心皮性子房からできた果実で、成熟すると数室に烈開するもの。

孔さく果(こうさくか)や蓋果(がいか)は、さく果の一種。

ツツジ、アサガオ、ホウセンカ、ヤマユリ、アヤメ、カタクリ、オクラ、インパチェンス、スミレなど。

単果(たんか)、乾果(かんか)、裂開果(れっかいか)に属する。

莢果(きょうか)

成熟すると、サヤがはじけて二片に分かれる莢果(きょうか) 。写真は小豆。

マメ科植物の多くに見られる果実。

一枚の心皮からなる子房からできた果実で、成熟すると、心皮が癒合した跡の縫合線から二片に裂開する。

インゲン、エンドウ、ネムノキ、ダイズ、ハナズオウ、ルピナス、クローバー、カラスノエンドウなど。

単果(たんか)、乾果(かんか)、裂開果(れっかいか)に属する。

豆果(とうか)ともいう。

豆果(とうか)

ネムノキの果実は、豆果とよばれる

マメ科植物の多くに見られる果実。

一枚の心皮からなる子房からできた果実で、成熟すると、心皮が癒合した跡の縫合線から二片に裂開する。

インゲン、エンドウ、ネムノキ、ダイズ、ハナズオウ、ルピナス、クローバー、カラスノエンドウなど。

単果(たんか)、乾果(かんか)、裂開果(れっかいか)に属する。

莢果(きょうか)ともいう。

袋果(たいか)

果実が熟すと、縫合線から縦に裂けるアケビ

内部に種子を含んだ、袋状の果実のこと。

一枚の心皮からなる子房からできた果実で、成熟すると、心皮が癒合した跡の縫合線から烈開する。

アケビ、シキミ、シャクヤク、トリカブト、ボタン、ガガイモ、トウワタ、サクララン、スターアニスなど。

単果(たんか)、乾果(かんか)、裂開果(れっかいか)に属する。

石果(せきか)

アーモンドの果実は石果

薄い外果皮に包まれた中果皮は、多肉質で果汁に富んでいる。

内果皮は非常に硬い核を形成し、その内部に種子を包み込む。

多肉果の一種。

モモ、アンズ、ウメ、サクランボ、クルミ、アーモンド、マンゴ、 オリーブ、ココナツ、ピスタチオ、コーヒー、ナツメ など。

核果(かくか)ともいう。

漿果(しょうか)

キウイフルーツは漿果の一種

果皮のうち、外果皮は薄くて柔らかく、中果皮と内果皮は多肉質で、多くの果汁を含んだ果実のこと。

液果(えきか)、多肉果(たにくか)ともいう。

一般的に果物と呼ばれるものは、ほとんどが漿果(しょうか)と言ってもよい。

トマト、ブドウ、モモ、ウメ、ブルーベリー、キーウィフルーツ、スグリなど。

⇔乾果(かんか)

偽果(ぎか)

ウリ状果・キワノの堅い外皮は、外果皮に花托の組織がかぶさったもの。内部は多汁な組織を含む液果状になっている。

子房だけでなく、それ以外の器官も加わって形成された果実のこと。

花床(かしょう)、花托(かたく)、花被(かひ)、花柄(かへい)、萼(がく)、苞(ほう)などが肥大して、果実の一部になる場合がある。

ナシ状果(リンゴ、ナシ)、ウリ状果(スイカ、キワノ)、バラ状果(ビワ、ローズヒップ)等。

集合果(イチゴ、ハス)と複合果(イチジク、パイナップル)については、すべてが偽果に属する。

⇔真果(しんか)

真果(しんか)

柿の果実は、子房が発達してできた真果

子房だけが発達して、形成された果実。

一般的な果実の多くは真果である。

モモ、ウメ、プルーン、サクランボ、スモモ、カキ、エンドウ、柑橘類など。

⇔偽果(ぎか)

仏炎苞(ぶつえんほう)

サトイモ科のアンスリウムは、美しい仏炎苞をもつ

サトイモ科の植物に見られる肉穂花序(にくすいかじょ)を包む、大型の苞(ほう)のこと。

色鮮やかな仏炎苞が、鑑賞対象になっている植物も多い。

アンスリウム、ミズバショウ、クワズイモ、コンニャク、ウラシマソウ、マムシグサ、ザゼンソウ、タコノキ、スパティフィラム(スパティフィルム)、ボタンウキクサなど。

肉穂花序(にくすいかじょ)

サトイモ科のミズバショウ

サトイモ科の植物などにみられる花の並び方(花序)のこと。

肥大した太い花軸の表面に、多数の小さな花が密集している。

そのまわりを囲む、花びらのようなものは仏炎苞(ぶつえんほう)という。

アンスリウム、ミズバショウ、クワズイモ、コンニャク、ウラシマソウ、マムシグサ、ザゼンソウ、タコノキ、スパティフィラム(スパティフィルム)、ボタンウキクサなど。

陰頭花序(いんとうかじょ)

花床が肥大して、花を包み込んでしまったイチジク状果の陰頭花序

イチジク属の植物に見られる花の並び方(花序)のこと。

肥大した花床の中央部がくぼんで壷状の花嚢(かのう)になり、その内面に多数の小さな花を付ける。

花は花床に覆われて全く見えず、結実前でも果実が実っているかのように見えることから、イチジクのことを無花果(むかか)と呼ぶこともある。

特殊な花の形状から、受粉はイチジク属に寄生するイチジクコバチという寄生蜂によって行なわれる。 果実の先端にある小さな空洞が、イチジクコバチの出入り口になっている。

イチジク状果(いちじくじょうか)

イヌビワは、イタビ、姫枇杷とも呼ばれるイチジク属植物

肥大した花床の中央部がくぼんで壷状になり、内部に多数の小さな花が付いた隠頭花序(いんとうかじょ)が結実したもの。

隠頭花序は、結実前でも果実のように見える特殊な花で、その受粉にはイチジクコバチが関与している。

花が見られないことから無花果(むかか)とも呼ばれる。

複数の果実が集まって一つの果実のようになった複合果で、子房以外の器官が肥大した偽果である。

イチジク、イヌビワ、アコウ、ガジュマル、イタビカズラ、カンテンイタビなど。

ミカン状果(みかんじょうか)

袋状の皮の中に、果汁を含んだ毛状体を持つミカン状果

厚い外果皮の中に、白くて柔らかい海綿質の中果皮と、薄い皮状の内果皮をもつ果実。

内果皮は、内部に果汁を含んだ、多数の袋のような組織を持つ。

多肉果の一種。

柑果(かんか)、橙果(とうか)ともいう。

オレンジ、みかん、レモン、グレープフルーツ、ライムなど柑橘類の果実。

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ナシ状果(なしじょうか)

洋ナシの食用部分は、花床が肥大して多肉化したもの

ナシ状果で食用になるのは、花床(かしょう)または花托(かたく)が肥大した部分で、子房が発達した果実は芯の部分である。

多肉果の一種。

リンゴ、ナシ、カリン、マルメロ、ビワ、カマツカ、ナナカマド、ピラカンサ(タチバナモドキ、トキワサンザシ、カザンデマリ)など。

ウリ状果(うりじょうか)

堅い果皮の内部に、多肉多汁な果肉が含まれるスイカ

キュウリ属のキワノの花は、子房が花被より下にある子房下位花

堅い外果皮の中に、果汁の多い液質の組織が包まれた液果状の果実。

ウリ科植物のうち、子房が花被(ガクと花冠)よりも下にある子房下位花に見られる。

果皮に、花托(かたく)の組織が癒合してできた偽果で、多肉果の一種でもある。

瓠果(こか)ともいう。

キュウリ、スイカ、カボチャ、カラスウリ、ユウガオ、メロン、ヒョウタン、キワノなど。

ハス状果(はすじょうか)

ハス状果の孔の中には、果実が一つずつ入っている

花床(かしょう)、または花托(かたく)が肥大して、円錐を逆さにしたような形状の果托(かたく)となったもの。

上部には、蜂の巣状に多数の孔が開いており、中には一つずつ堅果(けんか)が入っている。

ハス状果は、複数の果実が集まって、一つの果実状になる集合果の一種である。

バラ状果(ばらじょうか)

バラ状果のローズヒップは、豊富なビタミンCを含み、食用や薬用など様々な用途に利用されている

壷のような形状をした花床(かしょう)が肥大して、内部に複数の痩果(そうか)を含んだ集合果。

バラ、ビワ、ハマナス、ドッグ・ローズなど。

キイチゴ状果(きいちごじょうか)

石果(核果)が多数集まって出来た、ブラックベリーの果実

多肉質で、果汁を豊富に含んだ石果(せきか)が多数集まった集合果。

肥大した花床(かしょう)が、果実をまとめて房状になっている。

ラズベリー、ブラックベリー、ボイセンベリー、ローガンベリー、デューベリーなど。

イチゴ状果(いちごじょうか)

ワイルドストロベリーの果実は、花床が肥大して果実状になったイチゴ状果

イチゴの果実のように見える部分は、花床(かしょう)が肥大したもので、子房が成熟してできた実際の果実は、表面に見られる粒状のものである。

この果実は、熟しても裂けない閉果(へいか)の一種で、果皮と種皮が密着した痩果(そうか)に分類されるもの。

イチゴ状果は、複数の痩果(そうか)が集まって、一つの果実のようになった集合果で、子房以外のものが果実状になった偽果の一種である。

オランダイチゴ、ヘビイチゴ、ワイルドストロベリーなど。

閉果(へいか)

タンポポの種子は、成熟しても裂開しない閉果の一種

果皮が乾燥している乾果(かんか)の一種で、成熟しても裂開しない果実のこと。

閉果は、痩果(そうか)、頴果(えいか)、翼果(よくか)、堅果(けんか)、節果(せつか)、分離果(ぶんりか)、双懸果(そうけんか)などに分類される。

イネ、キク、クリ、オミナエシ、モミジ、カエデ、タンポポ、ヒマワリ、ツクバネ、ヒャクニチソウなど。

裂開果(れっかいか)

果実が熟して弾けたゲンノショウコ、果柄(かへい)が神輿のように見える事からミコシグサとも呼ばれる

果皮が乾燥している乾果(かんか)の一種で、成熟すると裂ける果実のこと。

裂開果は、袋果(たいか)、豆果(とうか)、さく果(さくか)、孔さく果(こうさくか)、蓋果(がいか)、長角果(ちょうかくか)、短角果(たんかくか)などに分類される。

キンポウゲ、クレマチス、インゲン、スベリヒユ、アヤメ、スミレ、ナズナなど。

多肉果(たにくか)

レッドカーラント(赤すぐり)は多肉果のうち、漿果(しょうか)に分類される

単果(たんか)の一種で、果皮が肉質で柔らかく、果汁が多く含まれている果実のこと。

多肉果は、液果(えきか)、ウリ状果、ナシ状果、ミカン状果、石果(せきか)、核果(かくか)、漿果(しょうか)などに分類される。

ミカン、スイカ、トマト、ブドウ、リンゴ、フサスグリなど。

乾果(かんか)

クリの果実は、熟しても裂けない閉果の一種

単果(たんか)の一種で、果皮が乾燥している果実のこと。

乾果は、成熟すると裂ける裂開果(れっかいか)と、熟しても裂開しない閉果(へいか)に分類される。

クリ、アブラナ、シソ、セリ、カエデ、マメ類、イネ、タンポポ、ヒマワリ、ドングリ、ヤシ等。

⇔液果(えきか)・漿果(しょうか)

幹生果(かんせいか)

幹から直接ぶら下がるように生るカカオの実

幹や枝に咲く幹生花(かんせいか)が結実して、果実になったもの。

カカオ、パンノキ、ローソクノキ、ホウガンノキ、ドリアン、バンレイシ、ジャボチカバ、ジャックフルーツなど。

複合果(ふくごうか)

パイナップルなどのアナナス科植物は、複数の子房が集まった複合果をつくる

複数の花からできた、複数の果実がくっ付いて、一つの果実のようになったもの。

複合果には、イチジク状果、複数の子房が合わさったパイナップル、サトイモ科植物の肉穂花序(にくすいかじょ)などがある。

集合果(しゅうごうか)

ローズヒップとして知られるバラの実は、集合果の一種で、内部に多数の果実を含むバラ状果である

複数の雌しべを持つ花からできた複数の果実が集まって、一つの果実のようになったもの。

集合果には、イチゴ状果、キイチゴ状果、バラ状果、ハス状果などがある。

複果(ふくか)ともいう。

複果(ふくか)

イチゴの果肉は花床が肥大したもので、実際の果実は表面にある複数の種である

複数の雌しべを持つ花からできた複数の果実が集まって、一つの果実のようになったもの。

複果には、イチゴ状果、キイチゴ状果、バラ状果、ハス状果などがある。

集合果(しゅうごうか)ともいう。

単果(たんか)

中果皮に柔らかな果肉と豊富な果汁を含んだプルーンは、単果の一種、多肉果である

一つの雌しべを持つ花が結実して、一つの果実になったもの。

一般的な果実の多くが単果である。

単果を大別すると、果皮が乾燥している乾果(かんか)と、果皮に果汁を含む多肉果(たにくか)に分けられる。

走出枝(そうしゅつし)

オリヅルランの走出枝

親株から出た茎が地表面を這うように長く伸びて、先端の節から芽や根が生じ、子株になったもの。

走出枝は匍匐茎(ほふくけい)・匍匐枝(ほふくし)の一種で、ランナー、ストロンともいう。

ある程度育成した走出枝は、親株から切り離して独立させることができる。

これは栄養繁殖の一種で、ランナー繁殖と呼ばれる。

オリヅルラン、ユキノシタ、ホテイアオイ、ジュウニヒトエ、オランダイチゴなど。

ランナー(らんなー)

イチゴのランナーは初夏に形成される

親株から出た茎が地表面を這うように長く伸びて、先端の節から芽や根が生じ、子株になったもの。

ランナーは匍匐茎(ほふくけい)・匍匐枝(ほふくし)の一種で、走出枝(そうしゅつし)、ストロンともいう。

ある程度育成したランナーは、親株から切り離して独立させることができる。

これは栄養繁殖の一種で、ランナー繁殖と呼ばれる。

オリヅルラン、ユキノシタ、ホテイアオイ、ジュウニヒトエ、オランダイチゴなど。

木質化(もくしつか)

木質化したバジルの茎

主として長期栽培している多年草に起こる現象で、茎が茶色く変色し、木のように堅くなること。

これは植物体内で合成されたリグニンという物質が増えることにより起こる。

リグニンは、細胞組織の隙間を埋めて強固にする作用があり、草を木のような丈夫な組織に変える。

ゼラニウム、ランタナ、ブルースター、シャコバサボテン、セージ、キク、ポインセチア、バジルなどに見られる。

木化(もくか)ともいう。

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木化(もくか)

木化したゼラニウムの株元

主として長期栽培の多年草に起こる現象で、茎が茶色く変色し、木のように堅くなること。

これは植物体内で合成されたリグニンという物質が増えることにより起こる。

リグニンは、細胞組織の隙間を埋めて強固にする作用があり、草を木のような丈夫な組織に変える。

ゼラニウム、ランタナ、ブルースター、シャコバサボテン、セージ、キク、ポインセチア、バジルなどに見られる。

木質化(もくしつか)ともいう。

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単性花(たんせいか)

アケビの雌花

アケビの雄花

雄花には雄しべ、雌花には雌しべだけを持ち、一つの花だけでは受粉が不可能な花のこと。

単性花を付ける植物を、雌雄異花(しゆういか)という。

カボチャ、キュウリ、メロン、ベゴニア、アケビ、クリ、マツ、ネコヤナギなど。

⇔両性花(りょうせいか)

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両性花(りょうせいか)

イチゴの花は両性花

一つの花に、雄しべと雌しべ両方の器官を持つ花のこと。

植物の多くが両性花を持つ。

両性花を付ける植物を、雌雄同花(しゆうどうか)という。

パパイアは単性花を持つ雌雄異株(しゆういしゅ)だが、温度によっては両性花が付くこともある。

⇔単性花(たんせいか)

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単為結果(たんいけっか)

ジベレリン処理が施され、「種無しぶどう」として出荷されるデラウェア

植物の受精が行なわれていないのに、雌しべの子房(しぼう)や花床(かしょう)が肥大して、果実が形成されること。

単為結果で得られた果実には種子が無い。

バナナやパイナップルは、自然に単為結果されて種子の無い果実ができる。

種無しブドウや種無しスイカは、植物ホルモンのジベレリンを溶かした液体に浸すジベレリン処理を施して、人為的にタネを形成させなかった果実。

単為結実(たんいけつじつ)ともいう。

単為発生(たんいはっせい)

単為発生するヒメジョオン

植物の卵細胞と精細胞が受精しないまま、卵細胞だけで新しい個体が発生すること。

ドクダミ、ヒメジョオン、セイヨウタンポポ、スミレ、キイチゴなど。

単為生殖(たんいせいしょく)

単為生殖で繁殖できるキイチゴ

通常ならば有性生殖によって次世代を残す植物が、受精することなく雌だけで子孫を残すこと。

ドクダミ、ヒメジョオン、セイヨウタンポポ、スミレ、キイチゴなど。