ジャスモン酸は、元々ジャスミンの香りの主成分として発見された物質。
その後の研究の結果、主として成長の抑制に関与する、植物ホルモンとしての作用が確認された。
他には、果実の熟化、種子や芽の休眠打破、老化促進、落葉促進(離層形成促進)、塊茎形成などを誘導する。
また、外敵による摂食などで植物体が傷ついたり、病気や水分不足等の環境ストレスを受けると、植物体内に急激に増加して、抵抗力を増強する耐性誘導ホルモンとして働く。
ストレスにより生成される「ジャスモン酸エステル」には揮発性があり、気孔から外部に放出されると、他の個体に危険を知らせたり、害虫の天敵を誘引したりする。
同じく、環境ストレスによって生成される「エチレン」や「アブシジン酸」とは協調的だが、「ジベレリン」とは拮抗的に作用することが多い。
ジャスモン酸を利用した薬剤は、リンゴやブドウの着色促進に利用されている。