繁殖させたい植物の芽や枝を、他の植物に接合して、それぞれの良い性質を合わせた植物体をつくること。
植物の再生機能を利用した栄養繁殖の一種。
接ぎ木の上部になる芽や枝をつぎ穂、または穂木といい、根を持つ下部を台木という。
丈夫で根張りが良く、環境適応力がある台木を使って、鑑賞に適した花や果実を得られる穂木を接ぐ。
接ぎ木で繋ぐのは、親和性のある、近縁植物でなけらばならない。
実生での栽培や、株分け、挿し木などの繁殖がしづらい植物に適した繁殖方法で、種子から育てるよりも、生育が早く、開花・結実までの期間を短縮できる。
また、雌雄異株の植物の雌株に雄株を接いで、一本でも結実できるようにしたり、樹高を抑えた矮性品種をつくる際にも利用する方法。
<接ぎ木の種類>
◆枝接ぎ
芽の付いた枝を穂木にする方法で、通常3~4月に行なわれる。
穂木と台木の接触面の切り方によって、3種に分けられる。
・切接ぎ…台木上端から側面を切り下げた断面に穂木を挿入
・腹接ぎ…台木途中から側面を切り下げた断面の間に穂木を挿入
・割接ぎ…台木上端から中央を切り下げた断面の間に穂木を挿入
◆芽接ぎ
芽の付いた部分を、台木の樹皮をはいで接ぐ方法で、通常8~9月に行なわれる。
◆根接ぎ
根を台木として穂木を接ぐ方法。
盆栽などで、根張りが良くない時に行なわれる。
◆呼び接ぎ
穂木を親株から完全に切り離さないまま台木に接いで、活着を確認してから取り除く方法。
◆高接ぎ
台木の高い位置で接ぐ方法。
◆刺し接ぎ
主としてサボテンに用いられる高接ぎの一種で、尖らせた台木先端を、穂木に刺して接ぐ方法。