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サイトカイニン(さいとかいにん)

天然サイトカイニン、ゼアチンの構造式

主として細胞分裂を促進し、組織を拡大させたり、分化させたりする物質の総称。

植物ホルモンの一種。

植物体内に存在するオーキシンとの相互作用によって、細胞を増殖させるが、その際オーキシン濃度が高いと芽が分化、低いと不定根が分化する。

サクラがよく罹るテングス病は、サイトカイニンが爆発的に増加して、異常な数の芽が分化するもの。 それらの芽が成長すると、一カ所から異常に枝が密生して、まるで鳥の巣かホウキのように見えることから、日本では天狗巣病、英語では魔女のほうき(witches’-broom)と名づけられた。 テングス病が発生したら、伝染しないように、枝を切り取って焼却処分すると良い。

サイトカイニンのその他の作用には、 気孔の開孔、老化の抑制、カルスの形成、側芽の成長促進、クロロフィル合成促進、発芽促進などがある。

バイオテクノロジーで組織培養する際に用いると、生じる器官を調整することができる。

農業分野では、果樹の枝を増やしたり、着果促進したり、果実を肥大させたりするのに利用されている。